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“あの会社”とアイフルグループのコト!GRAPH
アイフルグループは、事業を通してさまざまな企業や著名な方々と一緒に仕事をしています。本企画では、そんなアイフルグループと関わりのある企業や著名人をご紹介!
今回は、デザイナー・アーティストとして著名な北川一成氏が代表を務め、アイフルやライフカードのVI(※)を作成した「グラフ株式会社(以下、GRAPH)」の紹介です。事業活動の取り組みをはじめ、アイフルやライフカードのVIのこと、北川氏が抱くアイフルグループへの印象などについてお伝えします!
※ VI…企業のブランドイメージや世界観を表す。ロゴやシンボルマーク、ブランドカラーやフォントなどのデザイン全般を意味している。
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北川一成
GRAPH代表取締役 デザイナー/アーティスト
さまざまなビジュアルデザインはもちろん、ビジネスやコミュニケーションのあり方までを設計するブランディングを多数手掛ける。AGI(国際グラフィック連盟)会員。ADC賞、TDC賞、JAGDA新人賞、JAGDA亀倉雄策賞ほか受賞多数。
GRAPH
GRAPHは主にデザインやブランディング事業を展開している会社です。1933年に印刷会社として兵庫県で創業し、「捨てられない印刷物をつくりたい」という思いから、社名変更も兼ねて現在のGRAPHが立ち上がりました。その思いは経営資源となる持続可能なブランドづくり、つまりは「捨てられない価値をつくる」へと進化し、クリエイティブやものづくり、新たなメディアやテクノロジーを融合させながら、仕掛けや仕組みづくりの提案を行っています。
これまでに外泊事業の「変なホテル」や老舗お土産メーカー「本家八ッ橋西尾」など、さまざまな企業のブランディングやデザイン開発に携わっており、クリエイティブをいかしながらブランディングにおける幅広いサービス実績があります。2024年には、GRAPH代表の北川氏が年齢やキャリアを問わず、最も輝いている作品と制作者に授与される亀倉雄策賞(※)を受賞しています。
※亀倉雄策賞…広く世界のデザインに影響を与え続けた亀倉雄策氏の功績を称えて設立された、公益社団法人日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)から贈られる、グラフィックデザインのさらなる発展をめざして遺族の寄付により設立された賞。
●主な実績(一部)
・変なホテル(グラフィック、ネーム)
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・本家八ッ橋西尾(ロゴ、パッケージリニューアル)
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・ハナマルキ「無添加減塩 追いこうじみそ」(パッケージデザイン・広告ディレクション)
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アイフルグループとGRAPH
アイフルとライフカードのVI開発はGRAPHによって手掛けられました。創業から50年以上にわたって使用され続けていたアイフルのVIは2022年に、ライフカードのVIは2023年に刷新され、各社新しい「VI」「アートシンボル」が誕生しました。
どちらの取り組みもアートディレクターとして北川氏をお迎えし、未来に新たな情緒的価値を提供していく企業姿勢にふさわしいイメージへのアップグレードを図りました。
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●アイフル VI刷新
アイフルグループの会社が増加していることを背景に、グループのシナジーを発揮することを目的にブランドイメージの統一を図り、海外でも通用するVIの刷新が検討されました。そこで、アイフルグループの主力事業「金融業」のベースである貨幣経済は、芸術と同様に抽象思考ができる人間独自の仕組みであるとして、その視点と解釈を基に、“人間の両手”をモチーフにした新しいハートのマーク(アートシンボル)がデザインされています。
「ロゴやマークは認知されるだけでなく、いかに記憶させられるかが鍵です。アイフルの場合も、できるだけシンプルでありながら、今まで見たことがないような新しい表現を目指しました」と北川氏。「ロゴはカタカナ表記で、マークのモチーフもハートのまま。難題だった」としながらも、動きや人間の気配のようなものが感じられ、温かみのある現代風デザインに仕上がりました。
あえてアイフルの「ア」が「フ」のように見えたり、「フ」が数字の「7」のようにも見えるよう工夫された刷新後のロゴはSNS上でも話題となり、日本らしさの象徴「禅」の教えにも通じる余白をいかしたデザインに思わず目を惹かれるロゴとなりました。
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六本木にて開催中の展覧会『文字と余白 仮称』(2025年1月21日(火) ~3月8日(土))にアート作品として出展されたアイフルのロゴ。
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●ライフカード
VI刷新ライフカードのVIは、「Be Unique!」というブランドコンセプトのもと、さまざまな取り組みに奥行きや説得力が生まれ、自由でクリエイティブなイメージが広がって欲しいという思いが込められています。若年層に「ファーストカード(最初に契約するクレジットカード)」としてライフカードを選んでもらいたい一方で、デジタル化や価値観の変化に伴い、キャッシュレスサービスが多様化する背景がありました。そこで、「機能的価値」から、所有の喜びを満たす「情緒的価値」への転換を図り「美(Art)は細部に宿る」をコンセプトに、類似性がなくアートのような資産になるデザインを目指して作成されました。図形のアートシンボルは、角丸正方形の中にブランドの頭文字の「L」を配置したデザインで、「L」はニュートラルなゴシック体で問題なく読めるものでありながらも、「どこか引っ掛かりのある記憶に残るバランス」を計算して配置。ロゴは、右上がりにステップアップしていくイメージで、「L」「F」「E」の横線の高さが調整されています。
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北川氏に聞きました!
Q.1 GRAPHの強みや会社として大切にされていることを教えてください。
先見性が大切だと思います。先見性がなければ、高度な計画性、イノベーション、抽象的思考、象徴の使用(例:言語による伝達)がおぼつかない。先見性をGRAPHの強みに育てたいです。
Q.2 アイフルやライフカードのVI開発で印象に残っているエピソードを教えてください。
VI開発着手にあたり「信頼する」「良いものは結果を出す」といった意味あいのお言葉を頂戴し身が引き締まる思いをしたことです。結果、会長と苦労をともにされた奥さまにも「変えてよかった」と言われていたと伝え聞き、多くの方に喜んでもらえました。
Q.3 北川さんがブランディングやデザインで大切にされていることを教えてください。
大切にしていることはヒトの「記憶にのこる」デザインを創造することです。
Q.4 GRAPHの今後の展望について教えてください。
GRAPHは技術、センス、コミュニケーション力に加え、サイエンスや知財に関する法律の知見などを、ブランディングデザイン会社として多角的にアップデートし続けるべく、日々努力を重ねていきます。
Q.5 現在のアイフルグループにどのような印象をお持ちでしょうか。
先見性を大切にされておられる印象を持ちます。
Q.6 アイフルグループにも多くのデザイナーが在籍しています。最後にデザインに携わっている方や興味がある方々へのメッセージをお願いします。
これは数学者オリヴァー・ジョンソンの言葉です。「謙虚になって間違いを認めること。間違いは恥ずべきことではない。なぜ間違えたかを振り返り、先へ進む方が好ましい。」
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今回はアイフルグループの関係の深い会社の1つ「GRAPH」をご紹介しました。
お客様やお取引様をはじめ、パートナー企業や提携企業など、いろんなご縁があることによってグループの成長へとつながっています。こうしたご縁を大切にしながら、今後もアイフルグループは「100年続く企業」を目指して取り組んでいきます!
担当:若林